ギュっとベッドのシーツを握りしめ
聖はまるで泣き出すような声をあげた。
涙を流し、舌を吐きだし、胸を突き出すような格好で身を強張らせながら
まるで失禁したみたいに愛液を流す。
ひくんひくんと身を震わせながら
涙を流している聖。
イッた。
イカせた。
聖を。
俺が。
感動……いや誇りにも似た気持ち。
絶頂の余韻で、顔を真っ赤に上気させ、ぐったりと脱力している聖。
緩く握られた手と、熱く火照った瑞々しい身体を投げ出している。
「うう……ンッッ……!!」
その汗に塗れた身体に手を伸ばし、往人の唾液と聖自身の汗でべっとりと濡れた乳房に触れると、前以上に、やや大げさなぐらいに聖は喘いだ。
絶頂の直後だから、敏感になっているのだろうか。
もう、限界だった。
今すぐ、聖と繋がりたい。
身を起こした。聖に覆い被さるように。
往人の影の動きに気づいたのか、聖が目をうっすらと開けた。
見上げてくる絶頂に蕩けた目。
そんな聖を見つめつつ、往人はまるで溺れる者が空気を求めるように、もどかしげに股間のファスナーを下ろし……
男根を取り出した。
赤黒く変色した、グロテスクな男の欲望器官。
それはもう、項垂れた状態ではなかった。
もう、メチャクチャに充血しきっていた。
いつもより、ずっと大きい気がする。
痛い。
ハァ、ハァ、ハァ……!!
荒くなる呼吸を止めることは出来ない。
聖のゆるく開かれた脚の間に腰を割り込ませ、いきり立つ肉棒を押さえつけるようにして、その先端を聖の入り口にあてがう。
ヌチュ……!!
先端に感じるぬめり。聖の愛液か?
「ううっ……」
「あ……」
同時にうめく二人。
男は愛する女の自分を飲み込む滑った肉穴の存在を感じて。
女は愛する男の自分を串刺しにする太い杭の存在を感じて。
「ひ……聖!!」
まるで切羽詰ったように。往人はうわずった声で女の名前を呼んだ。
呼ばれた女……霧島聖は往人を見上げていた。
期待と……あと少しの怯えが入り混じったあの瞳で。
とうとうやる。
ごく……。
往人の喉が鳴った。
好きになったんだから、抱きたい。
当たり前の感情。
彼女を好きになった瞬間から抱いていた欲望。
それが今、現実になる。
ズ……。
「くっ……!」
「ンン……!!」
歯を食いしばる往人。
眉根を寄せ、何かに耐えるような表情をする聖。
腰を押し進めた。
往人の肉棒の先端が、彼女の胎内に消える。
入った。ついに聖の中に。
ずっと入りたかった濡れた肉路。
きつい。
とにかくきつい。
充分に濡れさせたはずなのに、それでもきついのだ。
締め付けが半端でない。
油断するとまだ完全に入れていないのに達してしまいそうだった。
慎重に、歯を食いしばりつつ腰を押し進める。
こみ上げてくる射精感を押さえつけ、奥に進む。
こんなところで終わってしまうわけにはいかない。
聖に……そんなみっともない自分の姿は見せられはしない。
聖に覆い被さるように、聖の頭の両脇に手をついて、腰を押し上げる。
奥へ……もっと奥へ……。
ぐぐっ……。
「ウンンンン……!!」
往人にいきり立った固い肉棒を押し込まれるたびに。
聖は目を固く閉じ、眉根を寄せてブルブルと震えた。
身を固くしながら。
コツン……。
「くぅ……ッ!!」
「アッ……!!」
そしてとうとう。
往人は聖の胎内の深奥部に到達した。
完全に奥まで挿入し
ギリギリと歯を食いしばる往人。
聖の中はすごかった。
襞が隙間無く自分の肉棒に絡みついてくる感じだ。
名器だ。間違い無く。
女性経験はそれほど多いわけではないが、それは断言できる。
それに、今自分は聖と性器を繋ぎ合わせ、牡と牝としてひとつになっている。
子供をつくる行為をやっているのだ。
このまま胎内で達し精液を聖の子宮に注ぎ込めば、聖が妊娠する可能性があるのだ。
そんな当たり前の事実を改めて自覚したとき。
……気が狂いそうなほど、興奮した。
「お前のなか、すごく気持ち良い」
口をついて言葉が出た。
偽りの無い、正直な言葉。
だが、次に心に浮かんだ言葉は口にする前に飲み込んだ。
「このままなかで出したい」
「お前を孕ませたい」
愛と言えば聞こえは良い。
聖が好きだから、抱きたい。
抱いて、妊娠させて、自分の子供を産ませたい。
しかし、これは往人一人だけのエゴだ。
聖が聞けば、嫌悪するに決まってる。
聖に嫌われるのは、嫌だ。
心でそう呟く。
そんなときだ。
「……ほ……本当……なのか?」
喜びが確実に混じった、抱えていた不安が拭い去られたような、女の声。
……ちょっと自分の思考に入り過ぎていたらしい。
下からの聖の声で、往人はふと我に返った。
往人の胸の下で往人と交合したまま、聖が見上げている。
喜びの目で。
理由は……分かる。
さきほどの往人の言葉が嬉しかったのだろう。
聖の目には喜びの光が宿っている。
しかし。
それは儚い光だった。
往人が前言を撤回すれば、たちまち消えてしまうだろう。
それが、容易に予想できた。
「ああ……」
そっと聖の頬を撫で。
ニコリと微笑みつつ、続ける。
「メチャクチャ気持ち良いよ……」
もちろん、そんなことはしない。
多少自分の語彙の無さが嫌になったが、そう、正直な気持ちを口にする。
それを聞き、聖の顔がさらに明るくなった。
「良かった……」
ドキリとした。
心底嬉しそうな笑顔。
―――どうしてこの女はこういう可愛いことをいうかね。
最後に残った細過ぎるほど細い理性の糸がぷっつり切れてしまいそうだ。
このままがむしゃらに動いて、たっぷり聖の中に自分の子種を残したい。
彼の本能はそう訴えている。
……このままじっとしていたら、理性が本能に敗北することは必至だ。
それに、動かなくてもじっとしているだけで気持ちいい。
聖の肉襞が、往人の男根から精液を得ようとヌルヌルと、ねっとりと絡みついてくる。
いくらなんでも、ロクに動かないで終わってしまうのはカッコ悪すぎる。
制限時間は、あまり無いのだ。
ズ……ッ。
「クッ……!!」
「ンンン……!!」」
彼は聖の頬に廻していた手を聖の腰骨に移動させ、ゆっくりと腰を引いた。
聖の胎内に飲み込まれていた男根が、少しずつ引き出され、外気に晒されていく。
その聖のあたたかい胎内から、外の世界にまた出てきた彼の男根は……
聖自身が分泌した愛液の他に……
赤い、血がついていた。
―――――え?
驚愕。
時が止まった。
まさか……?
往人の頭の中が真っ白になった。
そういえば、キスするときの仕草も、自分の愛撫を受けるときの反応も、どこかぎこちなかった。
慣れていない、と感じたのだ。
それで一瞬そんなことも考えたが、まさか聖の年齢でそんなことはないだろうと即座に打ち消してきたその考え。
―――――まさか……処女……だったのか?
驚き一色の目で聖を見る。
「……変……か?やっぱり……?」
往人の視線の先にいた聖は……辛そうな表情をしていた。
まともにその視線を受け止められず、横を向いている。
愛する男に奇異の目で見られることが辛いのか。
身を縮みこませて、目を伏せるようにして。
聖は語り出した。
「佳乃のことで……手いっぱいで……
……今まで……男性とつきあったことが無かったんだ……
それで……未だに……こんな年齢なのに……」
声を詰まらせながら、ポツリ、ポツリと。
隠していた、自分の真実を口にする。
今まで、妹の面倒を見ることばかりに身を削り、自分を犠牲にしてきた。
その結果を。
それがコンプレックスになっていたのか。
だから今まで口にしなかったのか。
彼女は小さく震えながら、往人の視線から逃げるようにして、隠し通してきた自分の秘密を語る。
「……こんな女は……イヤ……か……?」
拒絶の恐怖に怯えた告白。
こんな年齢なのに、未経験なんて恥ずかしくてとても言い出せなかった。
こんなことを隠していたことを知られたら、往人に呆れられてしまうかもしれない。
怖い。すごくそれが怖い。
往人の顔が見れなかった。
横を向きつつ目を伏せ、往人の返答を待っている。
やや、自分の殻に閉じこもっていたのか。
そのせいだろう。
気づくのが遅れた。
顎を掴まれ、無理矢理顔を向けさせられ、唇を塞がれた後に。
ようやく、往人にキスされたことに気づいた。
ぺちゃ ぺちゃ くちゅる……
往人の舌が聖の口腔内部を蹂躙している。
激しいキス。
息ができなかった。
「あむ……」
それでも、脳髄が痺れるような陶酔感。
自分が求められている。自分が必要とされている。
彼女もそれに応える。
舌と舌。味覚芽同士が擦れ合う感触がたまらなく気持ちいい。
ちゅぽん……
窒息寸前までそれを続けて、二人はようやく唇を離した。
供給を断たれていた酸素を荒い息遣いで貪りながら、二人は間近で見詰め合う。
今のキスが意味するもの。
それは言われなくても聖にはわかっていた。
でも、それに対してなんと答えればいいかわからない。
「……イヤなわけがないだろ……」
そして。
戸惑い、黙り込む聖よりも先に沈黙を破ったのは。
往人だった。
イヤなわけがない。
短く、そっけない言葉。
だが、聞きたかった言葉だ。
派手に飾った言葉よりも、ずっと。
嬉しい。
往人は……国崎君は自分を抱くことに喜びを感じてくれている。
自分が必要とされている。
笑みが。
本当の微笑が浮かんでくる。
「……聖?」
反則だろ。この微笑。
こんな微笑を向けられたら、自分は命すらも簡単に捨てられる。
どきどきしている。
もうすでにセックスをしているのに。
行き着くところに行こうとしているのに。
少年のように、胸のときめきが止まらない。
見詰め合い、互いの思いを確かめ合う。
この女と、一生を共にしたい。
この男に、一生愛を囁いてもらいたい。
もっと、触れ合いたい。
二人の手が重なり、指が絡み合った。
手を握り合う。
やがて。
頬に涙の後を残したまま。
聖は満面の笑みを浮かべて。
「……動きたいんだろ?
……いいよ。動いてくれて。
私の身体のことなんて気にしてくれなくて良いから……」
聖はそう言った。
「……いいのか?
本当に?」
それに往人は戸惑った。
初めてだから痛いはずだ。
はっきりいって、このまま続けたら自分は腰遣いを加減することなどできないだろう。
尋常でなく気持ち良過ぎるのだ。聖の胎内は。
それでも良いというのか。
だが。
聖の笑顔は変わらなかった。
「いいんだ……
私は……キミに抱かれているだけで嬉しいんだから……」
抱いてもらって嬉しい。その言葉に、男としてとてつもなく大きな喜びを感じた。
聖への愛情がさらに大きくなったことを自覚しながら、中断していた行為を再開する。
抜けかかっていた自分の性器を押し込む。
腰と腰がぶつかり、衝撃で聖の豊かな胸がプルンと揺れる。
「ウウッ……!!」
ギュッと顔をしかめ。
同時に、聖が呻き声をあげる。
やはり痛いのか。
奥まで繋がった状態で、彼は聖が抜き差しに苦痛を覚えていることを改めて認識した。
「なぁ……」
そう、声をかけずにはいられない。
だが。
「いいんだ……大したことない……
……それに……だんだん気持ち良くなってきた……」
聖を気遣う往人の言葉に、聖は無理した笑顔で嘘を言った。
痛々しい。
往人の邪魔をするまいと、無理に微笑んでいる。
胸が絞めつけられる思いだ。
けれども、だからといって今止められるのか。
この続きはまた今度と、欲望を抑えることはできるのか。
無理だ。
ここまで燃え上がった欲望を、中途半端に途中で押し込めることなどもうできはしない。
溜まりきり、解放される機会を与えられた欲望。
それを出し尽くすまでは止めることなど不可能だ。
己の本能が命じるままに、往人は行為を続けた。
ずっ、ずっ、ずっ。
「ウッ、ウウッ、イッ……!!」
往人が前後に律動するたびに。
聖が辛そうに顔を歪める。
目に涙を滲ませながら。
痛いんだろう。
傷口を抉られるんだから当然か。
しかしそれでも、時折自分を見つめる往人の視線に気づき、無理に気持ちよさそうな顔をしようとしているのか、痛みで強張った表情をなんとかリラックスさせようとしているのが見てとれた。
俺のために、ここまで尽くしてくれるのか……。
自分の苦痛など意に介さず、ただ往人が自分を抱くことに喜びを感じてくれるように。
そんな聖の思いが伝わってきた。
だったら……。
往人の頭に閃くものがあった。
動きを止めた。
「……?」
突然動きを止めた往人に、聖が顔に疑問符を浮かべる。
だが往人はそんな聖に一言も発さず、その行動を続けた。
にゅる……。
聖の膣から、愛液と血にまみれ、大きく勃起したままの男根を引き抜く。
「え……?」
途端に不安な表情になる聖。
もしかして、自分があんまり気持ち良さそうな顔をしないから、国崎君は自分を抱くことに喜びを感じてくれなかったんじゃ……?
そうだったら、どうしよう。
しかしそんな聖の不安も、次の往人の行動で意識の外から追い出された。
往人は聖の肩を掴み、クルリと裏返しにひっくり返したのだ。
うつ伏せの姿勢をとらされる聖。
「え、え、え?」
何をされているのか分からずに、ただ戸惑う。
そんな聖にやはり一言も発さず、往人は行動する。
うつ伏せにひっくり返した聖の腰に手を回し、まるで聖の尻を抱え上げるように持ち上げた。
そこでようやく聖も自分がこれから何をされるのか理解する。
「や、やだ!!こんな犬みたいな格好で!!」
気がついたら犬の交尾の姿勢……後背位をとらされていた。
これまで以上に、聖の顔が羞恥で真っ赤に染まる。
往人に抱かれるのが嫌なわけじゃない。
ただ、この格好で抱かれることに抵抗があるのだ。
まるで犬みたい。
発情したメス犬が路上でオスと繋がるように。
まるで下等生物にでもなったよう。
往人への愛情に羞恥心が勝り、聖はベッドのシーツを引きむしるように這って逃げようとする。
しかし。
「こら、暴れるな」
ばたばた暴れる聖の腰をしっかりと掴み、離さない。
恥ずかしさのあまり泣きそうになっている聖の尻を押さえつけている。
挿入の準備は万全だった。
つん。
「ア……!!」
ピクン、と身を反らせる聖。
入り口に往人のモノの先端が触れたのだった。
そしてそのまま……。
ズッ……!!
「アゥッ!!」
また入ってきた。
往人は聖のなかに再び侵入すると同時。
聖の背中から覆いかぶさるように抱きつくと、その滑らかな肌に手を滑らせ、腰から締まった腹部、そこから乳房、下腹へと手を這わす。
「……こっちの方が楽だろう?」
たぷたぷと乳房を揉み、下腹に回した手ですっきりした腹部を撫で回しつつ耳元で囁く。
正常位で繋がるよりもこっちの方が楽なんじゃないかと思ったのだ。なんとなくだが。
しかし、この囁きへの答えが返ってくることは期待していない。
聖は無理して「気持ちいい」と言っている。そんな彼女が「ああ、前よりは楽だ」とは言わないと思うから。
「………!!」
案の定、聖は何も答えることができずに黙っている。
「前よりは楽」もしくは「前と変わらない」と言いたいんだろうが、そんなことを言えばさっき自分が言ったことを否定することになる。
だから何も言えないのだ。
だから、追求しても意味がない。
だったら。
往人は聖の耳たぶに口を寄せると、軽く噛み付いた。
「ひんッッ!?」
可愛い悲鳴。
だったら、行為に専念するだけだ。
胸にまわした手で聖の重みのある乳房を持ち上げてみる。
「ふぁ……!!」
聖は鼻にかかったような声で喘ぐ。
全てが初々しい。可愛い。愛おしい。
はむ、はむと聖の首筋に顔を埋め、うなじや耳たぶをじっくりと味わう。
直に鼻腔から侵入してくる聖の香りが、往人をさらに興奮させる。
「あぁ……!」
首筋から見る聖の横顔。
はぁ、はぁと熱くなった息を吐き、焦点のあっていない目で前方を見つめる。
その熱に浮かされたみたいな表情がたまらなく色っぽかった。
横顔を見つめながら、聖の乳首を人差し指で弾くように刺激する。
まるで乳首のしこり具合を確かめているみたいに。
そのときの切なそうな表情が、往人をさらにのめり込ませた。
ぐいと聖の顎に手をかけ、こちらを向かせると、その不自然な姿勢のままで強引に貪るようにキスをした。
じゅる、じゅるるっ。
重ねた唇を開きあい、互いに唾液を大量に吐き出し、互いにそれを嚥下しあう。
興奮が最高潮に達し、聖を気遣い往人の最初は控えめだった腰使いも、本能に根付いた荒々しいものになっていく。
聖の腰を掴んで、子宮を突き壊さんばかりに突いた。
それには最初は四つんばいで体重を支えていた聖も、やがてそれでは自分の体重を支えられなくなり、ベッドに伏せてシーツを掻き集めるように握り締め、肩で体重を支えざるを得なくなった。
シーツに押し付けられた聖の大きなオッパイが潰れる。
体重で潰れ、肉の量で側部が丸く盛り上がったオッパイは、男を牡に変えさせる。
「ハッ、ハッ、ハァ……!」
ぐちゅ、ぐっこ、ぐちゃ。
もはやセックスのことしか考えられなくなり、壊れたように腰を動かす。
きりきりと奥歯を噛み締め、こみ上げてくる射精感を必死で堪えた。
結合部分から、血の混じった愛液が滴り落ちてくる。
「あぅっ!!あぃっ!!ひぎぃ……っ!!」
涙を流しながら、痛みの表情を浮かべる聖。
されるがままに、往人に身体を貪られる。
そう。
今、聖はまさに、女として往人にその身体を食らわれているのだ。
表情が痛みを堪えるため歪んでいる。
しかし、聖は逃げなかった。
黙って、往人の好きにさせている。
手を固く、強く握り締めながら。
気持ちいい。
聖のなかは、この上なく気持ちいい。
もはやこれを止めることはできない。
本能が、最後の瞬間までこれを止めさせようとしない。
もう理性なんか役に立たない。
動かすたびにこみ上げて、どんどん大きくなる射精感。
どんどん肥大していく。
往人の忍耐力の限界に近づいていく。
そして。
びゅっ。
「くぅっ!!」
「あくぅ!!」
往人の男根が、聖の子宮口に一番深く突き刺さったときだった。
とうとう、それが往人の我慢の限界を超えたのは。
白い、往人の精液が噴出してきた。
どろどろとした、熱い塊。
聖という最高の女に射精するに相応しく、粘度の高い、まるでゼリーのような。
びゅる びゅるる びゅっ……
ほとんど隙間の無い、子宮口と鈴口。
大量の精液が、鈴口から噴き出している。
それらが全て、直接聖の子宮めがけて流れ込んでいくのだ。
「あ……ああ……あ……」
射精している間、往人は快感とともに苦痛に似たものを感じていた。
まるで魂を抜き取られているような。
これまでの人生で多分一番多く射精しているためか。
顔をしかめ、まるで女のような声をあげながら、くびれた腰を掴んで聖の尻を自分の腰に引き寄せ、より深く繋がろうとする。
(出てる……たくさん……!!)
シーツを握り締め、犬のような体勢で往人の射精を受ける。
初めての子宮に精液が流れ込んでいることが分かった。
それも驚くほど大量に。
それになんとなく、相当に濃い精液である気がした。
(妊娠する……かも……)
奥まで精液を呑んでいる。
この状態で排卵すれば確実に妊娠する。
往人の子供を身ごもるかもしれない。
冷静に、そう考える自分がいた。
はぁ、はぁ、はぁ……。
長い射精がようやく終わった。
荒い息をつき、聖の腰から手を離すと、両手を聖の両脇につき、身体を支える。
気持ち良かった。
おそらくこれまでの人生で、一番の快楽。
心から愛している女の胎内で果てるのはここまで気持ち良いものなのか。
そのことを思い知らされた。
そこで、はたと気づく。
自分が聖の胎内で果てたことに。
しまった……!!
今更もう遅いが、聖の膣から萎えた男根を引き抜いた。
ゴポ……
破瓜の血と精液まみれのそれが抜き取られると、聖の膣口から血の混じった注ぎ込まれた精液が逆流してきた。
しかしその量は少ない。注ぎ込んだ量から考えると。
だとするなら、残りの精液は聖の腹の中にまだ溜まっているのだ。
排卵する瞬間を今か今かと待ち構えながら。
避妊を忘れるなんて……
最低だ……!
無責任に女を妊娠させることほど罪深いことは無い。
いくらその女を心から愛していたとしても。
産めば望まない子供。
堕胎すれば子殺しだ。
聖にそんな選択をさせることになるかもしれないのだ。
「ごめん……」
今更謝ってもどうしようもないが。
でも、それしかできない。
情けない。
ほんのりと桜色に染まって、小さく上下する聖の背中を目の前にしつつ、往人はうなだれる。
聖にどれだけ罵られても文句は言えない。
むくり。
聖が往人に膣内射精されてそのままの姿勢……腹這いの姿勢から、身を起こして往人を振り返った。
「なかで……出したんだな……」
その声には怒りは含まれていなかった。
ただ事実だけを告げている声だった。
しかし。
「ごめん……最低だな……俺……」
往人は聖の顔が見れずにいた。
聖は怒っている。そう思ったから。
聖のなかで出した。聖の子宮に精液を注ぎ込んだ。
ひょっとしたら聖は妊娠するかもしれない。
自分の子供を腹の中に宿すかもしれないのだ。
そのことに興奮し、喜んでいる自分がいる。
それがさらに往人の自己嫌悪を募らせる。
そんな聖をモノみたいに思っている自分が嫌だ。
「……いいよ……」
そんな心まで俯きかけた往人に投げかけられた聖の言葉。
往人はハッとした。
顔を上げる。
聖が微笑んでいた。
自分の腹部を押さえながら。
往人が見守る中、その花びらみたいな唇が、言葉を紡ぎだす。
「……キミの子供なら、妊娠してもかまわない。
……だから、いいよ……」
そこまで言うと、聖はさらに笑みを大きくした。
「聖……」
妊娠してもかまわない。
そう言ってくれた。
……嬉しい。
嬉しすぎる言葉だ。
妊娠してもいい。
つまりは往人のために自分の身体が壊れてもいいと言ってくれた。
子供を産むという行為は、女が自分の身体と命を削って新しい命を生み出すということ。
往人のためにそれをやってもいい。
そう言ってくれたのだ。
男にとって、これ以上に嬉しい言葉はあるだろうか?
気がついたら、往人は聖を抱きしめていた。
背中に回した両腕に力をこめ、その柔らかくて暖かい身体を強く抱く。
「聖……好きだ……」
耳元で囁く。
言わずにはいられなかった。
「……そうか……」
往人の腕の中で、裸のまま抱きしめられている聖の唇が、往人の耳に寄っていく。
同じように。
聖の熱くなった息が往人の耳にかかる。
そして。
「私もキミが好きだ……」
聖が同じように囁き返してきた。
心がジンとする。
今自分が腕に抱き、その深奥で自分の子種を注ぎ込んだ女。
愛しい女。ずっとそばにいて欲しい女。
そんな女に、こんな言葉をもらう。
これ以上の幸せは、今までの人生で一度もなかった。
最高の幸せだ。
……けれども。
その次に続いた言葉は、少し複雑な気分だった。
往人の肩に顎を乗せ、本当に楽しそうに言ったのだ。彼女は。
「ただし……本当に妊娠したときは……」
満面の笑顔を浮かべているのだろうな。それが容易に予想できる声。
「……責任をとってくれよ?」
まあ、当然のことなのだが。
風俗 デリヘル SMクラブ