すう、すう。

間桐桜は寝息を立てていた。
士郎が去り、服を着替えて再び床についた大河に背を向けて。

すう、すう。

……ぎりぎりぎり。

……血涙を流しながら。

すう、すう。

……実はとっくに起きていた。
正確に言うと最初から。

怪しいと思っていたのだ。
先輩と藤村先生の仲。

最近、先輩の家から先生が自分の家に帰るところを見たことないし。
それに……なんか前より先輩と親密になってるような気がしたから。

それを確かめるため、2、3日泊まりにきてみたら。
あの淫行教師、よりにもよって私の先輩と……!

密告(ちく)ってあの教師を懲戒免職に追い込むことも考えたが、比較的頭のいい部類に属する彼女はすぐさま

密告(ちく)る→大河が教師を懲戒免職になる→しかし責任感の強い先輩がすぐさまプロポーズ→おねがい元ティーチャー

というコンボをシミュレートし、それは自分にトドメを刺す行為だと気づいた。

ぎりぎりぎり……。

歯軋りのし過ぎで、歯茎から血が流れ出す。

血涙も流しながら。

Fuck……Fuck……Fuck……!!

枕を血に染めて。
畜生、畜生という彼女の呟きは、闇の中、誰も聞くものはいなかった。

 


じゅ、じゅ、ちゅ。

「んっ、んっ、んっ」

「ううっ……」

殺風景で古めかしい机と布団以外何もない部屋。

士郎の部屋。

古くなり、黄色く変色した畳の上で。

そこで大河は士郎の脚の間に顔を伏せていた。
顔を伏せ、腹這いになって、士郎のズボンのファスナーから引っ張り出した男根を口で愛している。

そっと士郎の男根の根元に左手を添えながら、リズミカルに頭を前後に振る。
そして空いた右手で、スカートの中に手を突っ込み、自分の性器を弄っていた。

「藤ねえ……やっぱまずくないか?」

性器を舐めしゃぶられながら、士郎。
快感に耐えているせいか、やや声が上ずっている。

「どうして?」

そんな士郎に、プハッ、っと、口にしていた男根を吐き出して、大河。

「……桜が風呂から出てきたら……」

「大丈夫よ。女の子のお風呂は長いんだから」

士郎の言葉を笑顔とともに一蹴し、大河はまたフェラチオを再開する。

「……さてさて、一回出しておこうね士郎。
わたしの中に入れたとき、長持ちして欲しいもんね」

舌を出して、ペロペロと全体を舐め上げる。
ときおり士郎の顔を見つめて、その反応を確かめながら。

男をいかせるのが楽しくてしょうがない。

そんな舐め方だった。

うねうねと動く大河の舌が、士郎の男根を愛撫する。
大河の唾液で、いきりたっている士郎の男根はすでにぐっしょり濡れていた。

「ううっ……ううっ……!藤ねえのフェラ……最高っ……!!」

容赦の無い大河の舌使いで、こみあげる射精感を堪えつつ、士郎は切なく呻くように言った。
それは、何気ない一言だったのだが。

「……最高って、他の子にもこんなことさせてんの?」

その一言を大河は聞き咎めたのだった。
半眼になった大河に睨みつけられる。

焦る士郎。

「いや、これは言葉のあやってやつで……」

「冗談よ。士郎は浮気なんかしないもんねー」

対する大河は、瞬時に表情を笑顔へと変化させた。
どうやらからかわれたらしい。

それを知り、士郎はむすりとする。

「はいはい、このくらいで膨れてたら男がすたるってもんよ士郎。
お姉ちゃんの可愛い冗談くらい笑って許しなさいっ」

笑顔で、焦らせた本人の癖にそんなことを言う。
姉ゆえの理不尽である。

「うわ、藤ねえ姉貴風吹かしまくり。権力者の横暴だー」

「……口答えは許しません」

煩い弟を黙らせる。
そう言わんばかりに、大河は再び士郎の男根を口に咥えた。

「うわ……あああ……っ」

そして黙らされてしまう弟。
姉の舌が、男根の先端を、特に鈴口を執拗に攻めてくる。

鈴口から尿道に舌をねじ入れて、無理矢理にでも男根の内側を舐め回してやる。

そんな意図すら感じられた。

もう、たまらなかった。

「出るっ、もう出るっ」

絶頂に押し上げられる乙女のような顔で、士郎は身を仰け反らせた。
追い詰められ、目に涙を浮かべそうなほど切ない顔で。

そして。

「出るぅっ」

「んんっ!」

ビュッ、ビュビュッ!

放出される白濁。
男根の先端から大河の口腔内に注がれる士郎の精液。

ごくんっ、ごくごくっ。

それを何のためらいも無く飲み干していく大河。
士郎の精液なら飲み慣れている。
フェラチオしてあげているんだから、当然出てくるものは全部飲む。
そんな彼女の思いが見える。

士郎の射精が終わると、萎えていく男根をチュッ、チュッと吸い上げ、尿道に残った分も吸い取って。

顔を上げて彼女は言った。

「……ふう。ごちそうさまでした」

笑顔で。
すっかり綺麗になった男根から口を離しながら。

本当に美味しいものをごちそうになった。
ペロリと唇を舐めた彼女の仕草は、そんなことを言っているふうに感じられた。

こくん、こくんと大河の喉が動く。
口の中に残っていた、最後の士郎の精液を飲み込んだのだろう。

一方、射精した士郎は、精を吸い取られたためか、脱力して動けなくなっていた。
出した量が量だけに、頷ける状態であった。

「士郎」

そんな彼に、大河は声をかける。

気がつくと、大河は立ち上がって、仰向けに身を投げ出している士郎の前に仁王立ちしていた。

自分のスカートの裾を摘みながら。

これから何かがはじまる。
何かをしようとしている。

大河の目はそう言っていた。

「ほら……よく見るのよ……」

そう言って大河は両手で緑色のスカートの裾を摘み、ゆっくりと上げていった。
捲り上げられていくスカート。

足首しか見えなかったのに。
ふくらはぎ、膝、太もも……。

露になっていく、大河の生足。
すらりと伸びて、白くて綺麗な足。

肉のつき方が絶妙。
むちむちとしていて、撫で回せばさぞ触り心地が良さそうだ。
この足に触れられるのなら、万金を積んでも惜しくない。
そういう男はごまんといるだろう。

そういう足だ。

士郎は目を離せない。
食い入るようにそれを見つめた。

どんどん見えていく。

膝からふともも、そして足の付け根……。

そして、やがて完全に捲り上げられたとき。

そこにあったのは、下着を身につけていない大河の下半身であった。
濡れそぼり、男を受け入れる準備がすでに整った大河の女性器。

それが外気に触れていたのだ。

「ほら、よく見て士郎。
……お姉ちゃん、今日はパンツ穿いてなかったんだよ?」

そう言う大河の目は異様な輝きを帯び、興奮していた。
自分の淫らな行為を告白する。それに感じているのだろうか。

「すっごくドキドキしたぁ……ノーパンで授業するの」

スカートの裾を摘む手を片方放し、その手で自らの秘所を触ってみせる。

「朝から今日はどういう風に士郎とえっちしようかって考えてたの」

くちゅ、くちゅ。

「ほら、見て士郎……お姉ちゃんはもう準備万端だよ」

にゅち。

愛液で濡れた指を士郎に見せつける。

藤ねえが自分に抱かれるために、ずっと前からこんなにも濡らしていた。
大河の濡れた指から目が離せない。

……射精後に萎えていた男根に、みるみる力が漲ってくる。

藤ねえと、やりたい。
この女と思う存分、欲望のままに交合したい。胎の中に自分の種を流し込みたい。
牝がここまで準備を整えているのに応えずに何が牡か。

士郎の本能がそう叫び出した。

「藤ねえ……」

「士郎……」

大河は摘み上げていたスカートを離す。ファサと戻るスカート。
そして士郎に顔を近づけた。
前かがみになる大河。
そのまま彼女は士郎の右手を両手で取り、掴んだその士郎の右手の平を、自らの乳房に押し付ける。
熱っぽい声で甘く囁きながら。

「ほら、おっぱいも触ってみて。
……触り心地がスムーズでしょう?」

確かに、服の下に何もつけていないみたいに、引っ掛かるものが何もない触り心地だった。
つまり。

「……明日からしばらく学校に泊り込みだからね。
今日、ずっとノーパンでノーブラだったの。
帰ったら士郎とた〜っぷりえっちしようと思って」

自分の手で士郎に乳房を触らせて。
息遣いに異様なものを滲ませながら、大河は言う。

「よいしょ」

肉付きのいい太ももを広げ、士郎をまたぐ。
そして、ゆっくりと腰を下ろしていく。

やがて、士郎の肉棒の先端が濡れた柔らかいものに触れた。

「んっ」

ぴくん、と震える大河。
士郎の男根の先端が、彼女の秘唇に触れたのだ。

「……じゃ、入れちゃうね……」

大河がさらに腰を下ろしていく。そのとき、大河の整った顔が一瞬震えた。
ぬぷっ、と先端が飲み込まれ、男根がみるみるうちに大河の胎内に押し込まれていく。

「んっ、んんっ、んっ……」

自分で挿入しながら、ふるふると身を震わせる大河。

二人が結合し、男女の交わりを完成させるのに、それほどの時は要しなかった。

「……入っちゃったね。
えへへ……。士郎、わたしたち、今、繋がってるんだよ?」

胎内の男根を締め付けながら、大河は熱い声で言った。

「奥まで士郎のチン●ンが届いているのが分かるんだから」

官能の炎に焼かれて、おんなになった大河は、士郎の首に腕を回し、ギュッと抱きしめる。
小振りな乳房が服ごしに、士郎の身体に押し付けられた。

「士郎とこうなるの、お姉ちゃん、だーいすき」

吐息が熱い。
脳髄を痺れさせる熱さだった。

身体に感じる藤ねえの重みが心地いい。
自分が今、藤ねえと繋がっている。
それが実感できるから。

許されるならいつまでもこうしていたい。

士郎はいつもそう思う。

「ほらっ、舌出してっ。ぺろぺろしよっ」

藤ねえとひとつになれる喜びを噛み締め、感じ入っている士郎に、大河は舌を突き出した。
言われるまま、士郎も舌を出す。

二枚の舌が触れ合い、やがてそれが互いの口腔内部に差し込まれる。

じゅるじゅると音を立て、相手に自分の唾液を飲ませる、
送り込めなかった唾液が口の端から零れ、顎を濡らす。

ゆっくりと腰を蠢かしながら。

大河は士郎の肩を掴み、自ら腰を動かした。

「藤ねえっ、俺っ……!!」

大河の身体は引き締まっており、飲み込んだ士郎の男根から精液を得ようと強い力で締め付けてくる。
生殖本能に突き動かされ、今現在交尾している牡を射精させるために。

大河という牝から牡として搾り取られようとされ、士郎は圧倒されていた。

大河の爪が肩に食い込んでいたが、全く気にならない。
二人の繋がっている部分にしか、感覚が無くなっていく。

「イっちゃうの?イッちゃうの?」

士郎の上で動きながら、大河は言った。
彼の反応を楽しむように。
言う彼女の表情は、もう姉でも教師でもなく、牝そのもの。
声に淫らな響きが混じりこんでくる。
欲情のために。

そんな声で、囁く。

「……中で出したい?」

ほとんど反射的に首を縦に振る。
出したくないわけがない。

しかし、それを聞いた大河の目がまた、異様な輝きを帯びる。

「……出してもいいけど、もし士郎の精子がお姉ちゃんの卵子に命中しちゃって受精しちゃったら、お姉ちゃん、士郎のあかちゃん産んじゃうからね?」

「……!」

薄く微笑みながら。
自分の言葉に興奮しているのか、息遣いが荒くなる。

中に出せば妊娠するかもしれない。それは当然のことだ。
しかし、妊娠してしまったら必ず産むと予告されるのは。

衝撃を受け、呑まれてしまう士郎。
そんな士郎に大河はさらに言葉を続ける。

「……お姉ちゃんを孕ませたい?」

その一言。
さらに全身を貫くような衝撃を受ける。

「……ねぇ、お姉ちゃんのお腹の中に、あかちゃん作って、お姉ちゃんのこと、自分の女にしてみたいの?」

まだ大河は止まらない。
休み無く腰を動かしながら、続ける。

士郎は答えられない。
答えはある。
でも、とても言えないから。

でも。

「中に出したいんでしょう?」

再度の言葉。士郎は首を縦に振る。

「……そう」

それを見、満足そうに微笑む大河。
しかし今度は、唇の端に小悪魔的な笑みが浮かんでいた。

「あかちゃん孕ませて、お姉ちゃんの身体を自分の都合で作り変えたいんだ?」

「そんなこと……」

声にいじわるな響きが混じっている。
まるで膣内で射精することが自分勝手で最低の行為だと。
そんなことを言って責めているような。

「だってそうでしょ?妊娠しちゃうとお腹が膨らんでおっぱいからお乳が出るようになるんだよ?」

胎内で射精するということがどういうことか。
女を孕ませるという行為がどういうことか。

それを説いて聞かせてくる。

「そして、とっても痛い思いをして、あかちゃんを産むことになるんだよ?」

そんなことを強要しようとしているお前は極悪人。
そう言わんばかりに。

「そんなこと、女の人を自分の所有物だと思ってなきゃできないわよねぇ」

完全に悪人扱い。
なんだか後ろめたい気持ちになってくる。

中に出したいか?と聞かれて、出したい、と答えただけなのに。

後ろめたくて、心細くて、消えてしまいそうな。
まるで出会ったとき。小学生のときに戻ったみたいな。

そんな気持ちだ。

「でも……」

そんな士郎に、大河はまた口を開く。
今度は、優しげな響きを混ぜて。

「お姉ちゃんは、いいけどね」

どくんっ!
心臓が跳ね上がる。

さっきまで、散々中出ししたいと言った自分を責めていたくせに。

「士郎のあかちゃん孕んで、士郎のために身体が壊れちゃっても、いいよ」

そんな悪いことを、やってもいい。
そう言うのか。

理性が削ぎ落とされていく。

「どうなの?お姉ちゃんのこと、自分の所有物にして、自分の都合で壊してみたいの?」

士郎と繋がったまま放つ大河の言葉は、まるで魔術だった。
男の中の牡の本能を掘り起こし、欲望を剥き出しにさらけ出させるような。

「藤ねえ……俺、藤ねえのこと孕ませたいっ。俺の子供を産んで、おっぱいあげているところを見たいっ……!」

思わず口走っていた。
欲望そのままの、本能そのままの、そんな言葉を。

中出しして、藤ねえの卵子に自分の精子を受精させれば、藤ねえを自分の所有物にできる。
それはとても素晴らしいこと。命と引き換えにしても、やってみたいこと。

「弟のくせにお姉ちゃんを孕ませたいだなんて……」

士郎のそんな欲望から出た本心の言葉を聞き。
ふふ、と微笑んで。
士郎と胎内奥深くで繋がりながら。

耳元でこう囁いたのだ。

「……いいわよ。あ・な・た」

大河の言葉は士郎の頭の中奥深くまで響いた。
囁き声であるにも関わらず。
まるで魔力を持っているかのように。

今自分の腕の中にいる女を、孕ませていい。
この柔らかで、暖かい身体を持つ女を。
女の方からそう言っているのだ。

しかも、その女は……自分の姉ともいっていい、ずっと自分の上に居たひと。

そんな女を孕ませる……これほど甘美で、牡としての征服欲が満たされることは他にあるまい。

それに。

あなた。

藤ねえは自分をそう呼んでくれた。
藤ねえは、今、自分を夫として扱ってくれている。
自分は藤ねえの弟なのに。

夫婦なんだから、子作りするのは当然だ。
いくらでも、藤ねえの胎の中に、子種を送り込んでいいんだ。

……ぶちっ。

限界だった。
士郎の中で理性の糸が引きちぎられた。

がばっ。

「きゃっ!」

士郎は大河を畳の上に組み伏せていた。
対面座位だったが、やや無理矢理気味の正常位に移行する。

そして本能の赴くまま、彼は腰を動かしはじめた。

「藤ねえっ!」

「アンッ、ちょ、ちょっと士郎激しすぎっ!!お姉ちゃんのオ●ンコ、壊れちゃうっ!」

士郎の下で大の字に組み伏せられ、身をくねらせる大河。
突きこまれるたびに彼女の素足が衝撃で揺さぶられる。

大河の両手を押さえつけ、目を血走らせんばかりの表情で腰を突きこむ。
知らないで見れば、まるで少年に年上の女性が陵辱されているかのような光景だ。

「うるせえっ!藤ねえの身体は全部俺のもんなんだっ!好きにしていいって言ったの藤ねえだろっ!!文句言うなっ!」

興奮しすぎているのか、乱暴になる言葉。
こうやって犯すみたいに攻め立てていると、自分が今抱いているのがどれほどいい女なのか。
それが分かる。

男根を奥まで押し込むたびにくねる身体。真っ赤になって泣きそうに喘ぐ表情。興奮して溶けそうなくらい熱くなっている吐息。
半開きになってる目がいやらしかった。唇の端から覗く舌が欲情を誘った。

こんな女を抱けるなんて。自分はなんて幸せなんだろう。
さっき射精したばかりだけれど、あまり長く持ちそうに無かった。

「たっぷり出してやるっ!学校に藤ねえが泊り込んでいる間中、藤ねえの身体の中で生きているくらい元気なやつをっ!」

本当に突き壊す勢いで腰を動かす。
士郎の額に浮いた汗が飛び散っていく。

「あ、あうんっ……ほ……本気でお姉ちゃんを孕ませる気っ……!?」

自分を貪っている士郎の限界が近いことを知り、大河は声をあげる。
やや、怯えたような、そんな声で。

「なんだよっ!今更ホントはその気は無いなんて言わせないからなっ!!」

それを聞いた士郎は声を荒げた。
ここまでその気にさせといて、今更中で出すのはやめてくれなんて。
受け入れられるはずが無い。

だが、それはそうでは無いようだった。

「ううん……っ、ち、違うのっ……!!」

彼女の怯えた、不安そうな目は。

「わ、わたしのっ……お腹が大きくなっても……他の女の子に浮気しちゃ……ダメだからねっ……!」

そういう意味だったのだ。
妊婦になってお腹が膨らんだ不恰好な姿になっても、自分以外の女に手を出して欲しくない、と。
潤んだ目でそう言ってくる。

愛しさがこみ上げてきた。
藤ねえ、可愛すぎる。

この女を孕ませたい。
いや。

この女しか孕ませたくない!

「当たり前だろっ……!俺の子供を産んでいいのは藤ねえだけだっ……!!藤ねえを孕ませていいのは俺だけだっ……!」

本能のままに心情を吐露する。
嘘じゃない、彼の本当の気持ち。

「嬉しい……嬉しいよ士郎っ……!!」

それを聞き、幸せそうに泣きながら微笑む大河。

もう、我慢できない。

「ううっ!!出るっ!出るぞ藤ねえっ!!」

射精する直前、士郎は大河の子宮口に男根の先端を押し付けた。
一滴残らず種付けするために。

「出してっ!!出して士郎っ!!わたしのお腹に、あなたのあかちゃん宿らせてぇっっ!!」

そして大河は、士郎に力いっぱいしがみついた。
一部の隙もなく繋がりあうために。

完全に性器を繋げ合い、交配を完成させる二人。

射精が始まった。

士郎の睾丸で作られた精子が、大河の子宮の内部に、大河の卵子を求めて流れ込んでいく。送り込まれていく。
受精の場たる子宮内部。そこに男の精子が入り込む。

「あ、あんっ、あ、あっ……」

士郎の精子が子宮めがけて吐き出されている間、大河は身を震わせていた。

身をよじりながら、種付けを受けている。

Oの字に唇を開き、精液の塊が子宮の奥を叩くたびに小さく喘ぐ。

とろんとした、焦点の定まらぬ目で。

女の中に射精するとき、男は本能的に女を支配した気になるもの。
今、自分の下にいる女の胎の中に、自分の精子を注ぎ込んだ。

……この8才も年上の、小さい頃から上にいたひとの中に。
そんなひとを自分のものにしている。

とてつもない達成感。
射精の快感以上の、充実感が彼の心を満たしていく。

こんな快楽は、藤ねえを抱かない限り得られない。
だから一滴でも多く、自分の精液を注ぎ込みたい。
それで命が削られたって、かまわない。

力の限り射精する。ここで死んでもかまわないほどに。

目をギュッと瞑って、奥歯を強く噛み締めながら。

そして全身の精を大河の身体に注ぎ込んで、大河の子宮を自分の遺伝情報で満たし尽くした士郎は。

がっくりと崩れ落ち、大河の上に覆いかぶさったのだった。

 

「藤ねえ」

「……なぁに?」

士郎。

終わった後。
後始末をする大河を見ながら。

言いにくそうに。

そわそわしながら。

「……今日、ホントに危ない日だったのか……?」

ゴミ箱にティッシュを捨てながら大河。
士郎の言葉に目を丸くして。

一瞬後、噴き出した。

「そんなわけないじゃん。そんなことしたらお姉ちゃん懲戒免職になっちゃうし」

手をひらひらさせてにゃはは、と笑う。

「ちぇっ……冗談かよ」

「ずいぶんな言い草ねー。お姉ちゃん、一言も危ない日だなんて言わなかったじゃん」

腐る士郎に、微笑みながら。

「えへへ……でも嬉しいな」

そっと近づき。

「士郎は、わたしのことを本気で妊娠させるつもりで出してくれたんだよね?」

本当に幸せそうに、笑っていた。

「で、責任感じてくれてたんだ」

見てる方が恥ずかしくなるくらいに。

「……当然だろ」

照れ臭そうに、士郎。
そして言った後も口をもごもご動かしていた。

何か言いたいのだろうが、気恥ずかしいのかなんなのか。
口にできないらしかった。

そんな士郎を、大河は後ろから抱きしめる。
そして耳元で囁いた。

「今は無理だけど……」

ゆっくりと。愛情の篭もった声音で。

「欲しくなったらいつでも言ってね。いつでも産んであげるから」

……その言葉がまた引き金になった。

 


上では第二回戦が始まっている。
大河の控えめな嬌声が下まで届いてきている。

ちきしょう。私の先輩と。

士郎の部屋の床下で。

蜘蛛の巣と埃にまみれながら。

桜は血涙を流していた。

試しに入浴すると姿を消してみればこれだ。

ケダモノみたいにサカりやがってあの女教師。
血が出るくらいに拳を握り締め、身を震わせていた。

怒りのために、彼女の髪が生き物のように蠢いた。

そんな彼女の目の前を、横切る黒い影。
床下に棲息していたゴキブリだ。

その動きがやけにカンに触ったから。

グシャ。

握りこぶしを、それに振り下ろしていた。
あっけなく叩き潰される黒い悪魔。

畜生……。

呪いの言葉を吐き続ける。

しかし。

桜の呪いの言葉は、上の二人には届かない。

〜END〜

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